5人が本棚に入れています
本棚に追加
◇◇◇
オッスッ! オラ悟k……じゃない、葛城千智だ。女みないな名前だが、歴とした男だぞ。
顔も背丈も平凡。唯一取り柄が在るとしたら、“平凡”であることだろうな。見方を変えれば、平凡も立派な個性にもなる。と、何処かで誰かが言っていた気がする。
因みに彼女はいない。絶賛募集中だ。
え? 誰もそんな事聞いていないって?
そりゃ、失礼しました。
平凡な見た目で平凡な人生を過ごして来た俺だったが、今現在、超絶美少女と行動を共にしている。
十六年間生きてきて、こんな美少女と出会ったことがない。とても緊張する。
女の子と接する機会が少なかったから今の状況をどうしたらいいのか……。
積極的に話し掛けた方が良いのかな? さっきから彼女、黙りっぱなしだし。
そもそも、なぜこんな状況になったんだけ?
…………ああ、そうだ。
確か――
◇◇◇
一日の授業を終え、家に着き部屋でゲームでもしようとしたその時だった。
テレビ画面が突然、眩い光を発したんだ。視界が奪われ、気付いた時には俺は薄暗い祭壇の様な場所に座り込んでいた。
四つ角に置かれた篝火で仄かに照されていて、物凄く不気味だ。
余りにも唐突すぎる。
家に帰ってきて、さぁ寛ごうとした途端のこの状況。訳が分からなすぎて、理解が追い付かない。
最初のコメントを投稿しよう!