第一章 鬼狩りの少女

6/21
前へ
/21ページ
次へ
「安心してください。取って食ったりしませんよ」  え、何故に俺の考えが? 「さぁ、何ででしょう? フフフ……」  こえぇ! この人、俺の頭ん中を読めるのか。やっぱり、人間じゃないんじゃ……。 「御察しの通り、(わたくし)は人間ではありません」  やっぱりぃ! その神々しいお姿からして神様か何かですか? 「そうですね、私は貴殿方の言う“神”と言う存在です。正確にはちょっと違うのですが、その辺りを説明すると長くなるので、いずれ機会があればお話ししましょう」  ん? まぁ要するに神様って事で良いんですよね? 「その認識で構いません」  そうですか。  へー、神様かぁ。目の前に神様が居るってことは、俺死んじゃったのか…………。  …………って! えぇぇぇ!?  俺、死んじゃったの!? いやいや、あり得ねーだろ。俺ちゃんと足あるし。 「貴方は死んではいませんよ。ご安心ください」  良かったぁ。死んではいないのね。 「(わたくし)は天位百十二柱が一柱『叢雲(むらくも)綾女(あやめ)』。  突然、この様な場所に喚ばれ困惑しているでしょうが、どうか私の頼みをお聞きください」  あー、頼みを聞くのは良いんだけど、そろそろフツーに喋ってもいいですか? 「え、ああ構いませんよ」 「では、お言葉に甘えて。……で、頼み事とはなんですか?」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加