第一章 鬼狩りの少女

7/21
前へ
/21ページ
次へ
 コホンと咳払いし、神様が口を開く。 「貴方にお頼みしたい事が二つ。  一つはある少女の手助けをしてほしいこと。  二つ目は紛失した七つの神器(じんぎ)を探して欲しいと言うことです」 「初対面の相手にいきなり二つも頼むとは……」 「貴方なら出来ると確信したから、此処に喚んだのです。どうか、お聞き入れください」 「その二つの頼み事なら、他の奴でも出来るのでは?」 「いいえ、貴方にしか出来ないのです。  何故なら、少女と神器がある場所は貴方のいた世界とは別の世界なのです。  異世界へ誰でも送り込める訳ではありません。適性が必要なのです。貴方にはその適性があります。  それに、神器を探せるのは貴方しかいません」  俺? どういう事? 「千智さん。貴方には身体の何処かに妙な痣がありますよね」 「痣? 確かにあるが……」  丁度、右肩の所に陰陽太極図(いんようたいきょくず)のような痣がある。この痣と一体何の関係が? 「その痣は、貴方の中に神器の一つがあると言うこと」 「いぃッ! お、俺の中にぃ!?」 「はい。今、他の神器が何処にあるのか分かりません。ですが、千智さん貴方が神器に近付けば、貴方の中にある神器が共鳴を起こします。  その共鳴を頼りにすれば、神器捜索は捗る筈です。しかし、他の者ではそうも行きません」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加