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コホンと咳払いし、神様が口を開く。
「貴方にお頼みしたい事が二つ。
一つはある少女の手助けをしてほしいこと。
二つ目は紛失した七つの神器を探して欲しいと言うことです」
「初対面の相手にいきなり二つも頼むとは……」
「貴方なら出来ると確信したから、此処に喚んだのです。どうか、お聞き入れください」
「その二つの頼み事なら、他の奴でも出来るのでは?」
「いいえ、貴方にしか出来ないのです。
何故なら、少女と神器がある場所は貴方のいた世界とは別の世界なのです。
異世界へ誰でも送り込める訳ではありません。適性が必要なのです。貴方にはその適性があります。
それに、神器を探せるのは貴方しかいません」
俺? どういう事?
「千智さん。貴方には身体の何処かに妙な痣がありますよね」
「痣? 確かにあるが……」
丁度、右肩の所に陰陽太極図のような痣がある。この痣と一体何の関係が?
「その痣は、貴方の中に神器の一つがあると言うこと」
「いぃッ! お、俺の中にぃ!?」
「はい。今、他の神器が何処にあるのか分かりません。ですが、千智さん貴方が神器に近付けば、貴方の中にある神器が共鳴を起こします。
その共鳴を頼りにすれば、神器捜索は捗る筈です。しかし、他の者ではそうも行きません」
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