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右肩をじっと見詰める。
俺の中に神器が…………。
「本来ならば、私自身で何とかしたいところですが、私は人の世に干渉出来る時間が短く限られています。
ですので、どうかお願いします」
深々と頭を下げ、懇願する綾女様。
そこまでされちゃあ断りづらい。と言うか断れないでしょう。
それに、「女の頼みを聞き入れるのも男の甲斐性」って昔じいちゃんが言ってたし。
ここは一丁、男を見せますか!
「わかりました。その頼みお請け致します。
だから、頭を上げてください」
「っ、ありがとうございます」
「いえいえ、所で神器や手助けして欲しいって言う少女について教えてくれませんか」
「はい、神器についてはこれをお読みください」
手渡されたのは、一本の巻物だった。
なんとも趣のある巻物だ。
「その巻物には神器の形や名称が書かれています。
次に少女についてですが、名は椿鬼──」
少女について話している途中、突然綾女様の身体が淡く光だした。
「すみません、どうやら時間が差し迫っているようです」
えぇ!? ちょ、話の途中なんですけど!?
「今すぐ、彼女と神器がある世界へ送ります」
ちょっと待って、神器の方は巻物があるから良いけど、少女の方は名前しか分かっていないんですよ!
「御武運を祈っています」
「あ、ちょっ───」
またもや、光に包まれたと同時に俺の意識はスーっと遠退いていった。
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