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「よう、ガラテア。相変わらずだな」
「ハルキオか。お前もラヴィニアに帰ってたんだな」
「そりゃあな。俺今回後方部隊だったし、誰よりも速く帰ってきたと思うぜ!」
「傭兵が戦中に暇でしたってアピールしてどうすんだ」
話しつつ、視線を感じたのでそちらへ目を向ければ、猿面やら俺と面識のない奴らが会話を盗み聞きしているのが分かった。どうにも、この小僧が酒を飲むのも戦士と面識があるってことが気にかかるらしい。
「しかし、未だお前に絡む奴らがいて面白いもんだ」
豪快に笑うハルキオ。こっちとしちゃいい迷惑だってんだ。人を見世物みたいに言うんじゃねえ。
「ふん、次に戻ってくるときは、髭の似合うダンディズム溢れる男になってるさ。こんな三流喜劇が見れるのも今の内ってね。見たんだから劇の代金よこせ」
「三流って自分で言ったじゃん。あんな茶番に金なんか一ボルクだって払えねえよ!」
馬鹿笑いして、ハルキオは酒を追加で頼む。まったく、声のでかさだけは傭兵一だ。
「おい、ガキ!」
また猿面か? しつこい奴だな。振り返って見れば、今度は仲間もご一緒のようだ。おお、女もいる。だが、イマイチな顔立ちだな。きつすぎる。俺はもっと柔和な顔立ちの女が好みなんだ。見る限り、盗賊の愉快な仲間たちって感じだな。猿面も合わせて五人か。
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