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「とりあえず、大浴場行っちゃう?ここお風呂の種類も多いらしいよ」
「あ……うん、そうだね」
「美加ちゃんも誘っちゃおー」
甲斐たちがいる向かいの部屋のドアをノックすると、青柳の奥さんの美加ちゃんが顔を覗かせた。
子供は男の子で、二歳だ。
青柳にはいつも写真で見せてもらっていたけれど、こうやって会うと子供の成長は早いと強く感じる。
「蘭さん、依織さん!幸ちゃんと甲斐くんなら、さっきお風呂に行っちゃいましたよ」
「もう行ったの?じゃあ、うちらも行こうよ」
「今準備しますね!ほら、章汰!お風呂に行くから用意するよー」
青柳の奥さんの美加ちゃんは、私と蘭より三つ年下だ。
子供を育てているからか、若いのにしっかりしている。
私もいつか、こうして子供を育てる日が来るのだろうか。
結婚願望がない私には、子供を産むことも育てることも今は想像出来ない。
でも、心のどこかで羨ましいと思っている自分もいるのだ。
用意が出来た美加ちゃんと章汰を連れて、私たちは大浴場に向かった。
お風呂では当たり前のように、ガールズトークが繰り広げられる。
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