「ねぇ、私今、すごいブスだよね?顔、ヤバくない?」
「あぁ、確かに凄い顔してるね」
「もう、こんな道端でプロポーズなんてするから……!」
私はそこで我に返った。
そうだ、すっかり忘れていたけれど、ここは家でもなければ二人きりの密室の空間でもない。
誰もが通る、道端なのだ。
辺りを見回すと、結構な人が歩いていることに気付き、恥ずかしさが再度込み上げてきた。
しかも、どことなく視線を浴びている気がするのは、きっと気のせいなんかじゃない。
昼間から外でキスしてしまった。
思いっきり抱きついてしまった。
人前でイチャイチャするほど見苦しいものなんてないと思っていたのに。
「今、言いたいと思ったんだよ。ダメだった?」
「……ダメじゃない」
見苦しくてもいい。
さすがに、このときばかりはそう思えてしまった。
「とりあえず、帰ろうか。話の続きは、帰ってからゆっくりしよう」
「そうね」
時間なら、たっぷりある。
ゆっくり、自分たちのペースで話し合い、二人寄り添いながら前に向かって進んでいけばいい。
これから先の人生、きっと思いがけないことが沢山起きるだろう。
嬉しいことや楽しいことばかりではない。
悲しいことや、苦しいことだって同じくらいある。
それでも私はこの先もずっと、幸せだと呟き笑っているだろう。
私の全てを受け入れてくれたあなたが、私のそばにいる限り。
あなたの全てを愛してやまない私が、あなたのそばにいる限り。
この恋は、永遠だと信じている。
END
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