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もともとゲームは好きだった。
最初はオフラインから始まり、そしてオンラインゲームにはまった。今一番はまっているのは大人数で同時に参加できるセレナストーリーというRPGだ。
オンラインゲームを始めると、見知らぬ人とパーティを組むことが増え、それがきっかけでSNSのゲーム好きが集まるコミュニティに参加した。
そこで知り合った仲間達と夜毎ゲーム三昧な日々…。
ネットの中の仮想世界では、リアルがどんな人間であろうと関係ない。ログインすれば、会話が始まり、同じ目的を持って助け合ったり、遊んだりする。そしてログアウトすれば一切関わらないし交わらない。
その表面的な関係も意外と心地好かった。
リアルな世界の私は、人と深く関わることを求められ、自分の身を削るように働いていたから…。
「は―。今週仕事忙しくて、全然ログインしてなかったから…。皆に激しく遅れとったな…。かずなり手伝ってくれるって言ってくれたけど…甘えちゃっていいのかな…」
かずなりはコミュの中でも一目おかれる存在だった。ゲームのレベルもさることながら、レアな武器や素材もたくさん持っているし、何より常にログインしている強者だと仲間に言われていた。
ただ、仲間とパーティを組むことは少なく、割と独りでやっていることが多かった。それでも仲間から要請されれば、手伝ってくれる優しい一面もあった。
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