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それから家を取り壊したりした。反乱を鎮圧してすぐ国一番のミイラを作る職人を呼び寄せてアーノルドさんをミイラにした。体は生きているような眠っているような状態にまでになっていた。皇帝陛下はアーノルドさんのために美しいガラス張りの棺を作った。そしてすごい冷えた豪華な内装の部屋の中央に置いて仕事をしている間以外大抵ここにいる。
精神的ストレスで皇帝陛下は発情期が来なくなった。皇帝陛下はそんなの気にしてないという様子だった。狂ってる。そう思うだろう。けれど賢王としてあり続けた。
庭に薔薇が咲き誇っている季節。あの悲劇から丁度1年たった。
「今日はアーノルドの命日だけど私に仕えると誓った日でもあるんだ。五歳の時薔薇の咲いていた庭で立派な剣じゃなくて訓練用の剣で私の前に傅いて2人きりの儀式をしたんだ。おかしいだろ?私はΩでそして王位継承権第5位で皇帝になる予定ではなかったはずの人間に。でも、それが私たちの全てだ。」
と優しく微笑んで独り言のように言った。何も話してはいけないそう思った。
「アーノルドは言ったんだ。幸せになれとだけどアーノルドがいない世界に幸せなどない。だから決めたんだ。あの世でアーノルドに自信を持って会えるように最善の政をしようとついて来てくれるか?」
皇帝陛下はきっとアーノルドさんに囚われてる。アーノルドさんのミイラがあるからかもしれない。皇帝陛下はアーノルドさん以外本当の意味で信頼していないだろう。けれどアーノルドさんが信じた僕たちを信じてくれた。それがどれほど嬉しいことか
この一生を悲しい皇帝陛下に仕えよう。本当はもっと守りたかったであろうアーノルドさんの分まで
皇帝陛下は最後まで番も持たずそして発情期も来なかった。まるでアーノルドさんのために操を立てているようだった。実際立てていたのだろう。皇帝陛下は最後まで最善の政をした。そしてあれから少し傷んでしまったアーノルドさんの遺体の横で永眠した。心臓病だった。皇帝陛下の墓には皇帝陛下はもちろんアーノルドさんも一緒に眠っている
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