サッカー選手のα×後転性Ω元サッカー選手

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今日は最愛のパートナーの葬式だ。お互い男性だからパートナーって言ってるだけで夫婦だ。高校の時に出会って一目惚れから始まったけど内面を好きになった。あいつは優しくて涙もろくてでも芯が通っている。負けず嫌いで正義感が強くて頑固で仲間思いでいいやつだった。すごい努力家で血反吐が出るほど練習していてβながらワールドカップにレギュラーで出たほどの男だ。最初は下世話な話とか出たがあいつは実力でその声をねじ伏せた。お酒が好きで酔うとαであることで胡座をかいてるやつなんかに負けない。俺は努力でαをねじ伏せると毎回言っていた。それは高校の時から時折口に出してた。あいつは人気者でどうせβだから努力しても無駄。遊びに行こうぜと言われてもあいつは真顔でαの奴等を負かすんだ。努力をしないで文句ばかり言ってるあいつらには負けないと言って練習をしていた。αに笑われても練習はやめなかった。あいつとは同級生で1年からレギュラーで補欠の先輩とかには疎まれてたけどαである俺はあいつよりは練習していないけど普通よりはかなり練習をしていてあいつの言葉に共感していた。すぐに仲良くなった。最初のコーチはα至上主義者であいつはレギュラーになれる実力でありながら補欠にすらなれなかった。その時、誰もいない用具室で声を押し殺して泣いていた。不謹慎だけどすごい綺麗だった。もちろんあいつがいない俺たちのチームは初戦敗退した。それでも笑っていられる先輩が信じられなかった。レギュラー陣は泣いている人が多かったけどあいつだったら清瀬ならこの時誰もいない用具室で泣いていたのではないかと思った。
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