サッカー選手β×サッカー選手Ω

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サッカーの試合だとわかった時逃げ出そうとした。するといつも優しい祖父が厳しい声で見なさい。ちゃんとしっかり見ろ。お前がしっかりした男になると思うから見せるんだ。そこまで言われたら見るしかなくて座って見た。そこで1番輝いて見えたのが清瀬元選手だった。実力はもちろんだが誰よりも楽しそうにサッカーをしていて本当に素晴らしい選手だと思っていた。あっという間だった。時間が流れるのが早く感じた。きっとこの人はαだ。そう思った。祖父に清瀬元選手のことを聞くと嬉しそうにしながら 「清瀬選手はな。βだった。そして後天性のΩだ。これが最後の公式試合。その後Ωになった。昔はΩは公式試合には出られなかったからな。けどな、チャリティーとして試合をしてたんだ。人望があったんだろうな世界各国からチャリティーに参加したいっていう声が大きくて本当は試合をするつもりはなかったけど試合できる人数に達してな。参加したサポーターにチームを決めてもらった。ドリームチームだな。今のチャリティーの原点だ。そして試合をしていた。本当に引退なんて勿体無い選手だった。誰よりも輝いていて誰よりも強かった。」 と思い出に浸っていた。ワールドカップに出てその上チャリティーをしているなら解説などしていて知らないはずがない。けれどその選手を知らなかった だから祖父に聞いたのだ。清瀬元選手を知らないけどそんなにすごいなら解説したりとかしてるんじゃないの? とけれど祖父は悲しそうにしながら 「清瀬元選手は28で亡くなった。夏元選手と同級生で夏元選手と結婚してたんだ。お似合いなカップルだったよ」 と噂として聞いたことある。ある日を境に夏元選手は笑わなくなった。それが伴侶を亡くなったからだときっと事実だろう。
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