サッカー選手β×サッカー選手Ω

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そして祖父は最後にお前は前よりは恵まれている。けれどΩでありながらスポーツをするのは生半可な気持ちでは出来ない。お前はサッカーをしたくないならやめたらいい。学校も行きたくなるまで行かなくていい。けどなお前はそれでいいのか? と急に自分が恥ずかしくなった。清瀬元選手は突然サッカーを取り上げられても祖父の話が本当なら前向きに生きたのだろう。なのに自分はどうだ?奪われたわけじゃない。むしろ自分で可能性を潰してる。でも清瀬元選手は奪われてもなお楽しそうにサッカーをしていたのだろう。そして僕は一週間の引きこもり生活を終えた。それから清瀬選手にのめり込んだ。拾える動画は全て見た。祖父は高校の時から清瀬元選手を追っていたのでいろんな映像をやいてもらって見ていた。サッカーを奪われて悲劇のヒーローとして取り上げられていたけどそんなことを微塵と見せない様子をみて改めて自分を恥じた。中学3年生になって進路に迷っていた。沢山の高校からスカウトがきた。けれどそのスカウトの中に清瀬元選手の高校と清瀬元選手の高校のコーチがいる高校からはなかった。僕は死に物狂いで勉強して清瀬元選手のコーチがいる高校に受かった。偏差値が高いところだったので受かったことが奇跡だ。そしてコーチに師事を仰いだ。清瀬元選手がどんな練習をしていたのか教えてもらいたくてプロになるにはそれしかない。僕は最初は清瀬元選手の練習量に驚いたがしかしこなせないわけではない。僕は遅くまで練習をした。メキメキと実力が上がっていた。Ωは日が暮れるまでには帰らないと危ないと知っていたけどプロになるのにそんなこと言ってられない。そして幼馴染兼恋人のβの繋が送ってくれた。 だから無事でいられた。僕は性別を隠さなかった。Ωはβと偽る人が多い。差別は未だにされているからだ。けれどだからなんだ。何を恥じるところがある?僕はΩであることをもう悲観などしなかった。清瀬元選手の記録を見ているとそんなこと関係ない。気にするなんて馬鹿馬鹿しい。でも僕のことが気に入らないからか僕を性別のことで色々言われた。サッカーをやっているのはいれてくれる男が欲しいからかとかなら、俺が突っ込んでやるよとかひどい侮辱だ。僕は殴り合いの喧嘩をした。繋が止めてくれなかったらお互いもっと怪我をしていただろ。理由が理由なだけに咎められなかった
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