サッカー選手のα×後転性Ω元サッカー選手

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そして綾先輩と一緒にいるようになった。綾先輩は演劇部で人気者だった。そんな綾先輩が一緒にいると目立つ。それに綾先輩は俺にボディータッチが多かった。それは俺は嫌じゃなくてそのままにしていた。練習の時も自分の部活が終わったあとハチミツレモンとスポーツドリンクの入ったペットボトルあとタオルを持ってきて渡してくれた。その時はいい人だなと思っていた。少しして俺と綾先輩が付き合っているという噂が流れた。そんなの事実無根で俺は夏が好きだから付き合うなんて考えてもいなかった。そしてその噂を信じた馬鹿がいた。それが夏で告白の内容なんて断られる前提だった。用具室に呼び出されて急に清瀬には恋人がいるからこんなこと言われるの迷惑かもしれないけどこのままじゃ整理つかないからこっ酷く振ってくれ。お前が好きだ。初めてあった日からとプルプル震えて目をギュッと閉じて今にも泣きそうだった。思わず笑ってしまった。そして夏の唇にキスをした。夏は間抜けな声でえっと言った。本当に顔も間抜けだった。今思い出しても笑える。それから好きだよと言ったんだ。そしたら夏はえ?綾先輩は?と言っていた。だから違うということを説明した。今思うと学生時代の夏と俺の大切な思い出は全部用具室から始まったことばかりだ。そして恋人としてスタートしたんだ。すごく間抜けでカッコ悪い告白だったけど自分でも自覚があったみたいで初デートの日また告白してきた。今度はカッコよかったけど正直最初の告白の方が好きだ。そしてこの告白からずっと俺たちは別れることなくゴールインした。夏はαだから運命の番が現れるかもしれないそれが怖くなかったかと質問されたらすごく怖かったというだろう。だけど俺はプライドが高くて負けず嫌いだから運命より魅力的な自分になれば運命に奪われずに済むと思った。実際の運命は俺だったけど まぁ、結婚して一年ちょっとしか生きられなかったけど。俺は自分らしくいられるために長くないことを知りながら嘘をついた 喉の違和感と痛みは最初は風邪だと思っていた。血を吐いてからもう助からないとわかった。その時点で病院に行ってれば少しでも長く生きていたかもしれないし治療法があったかもしれないけど、俺はわがままだから入院したくなかった。自分らしく最後を迎えたかった。夏と笑って最後まで過ごしたかった。だから病院には行かなかった。病院に行けば入院すると思ったから
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