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僕は目覚めてから1ヶ月経った頃退院した。この1ヶ月間レイアは毎日愛を囁きリハビリのときは励ましてきた。失礼だがこれを嬉しいとは思わなかった。むしろ苦痛だった。その言葉を妻が言ってくれれば子供達が言ってくれれば苦痛と感じず心は癒されただろう。そして僕は退院した日妻と別れた。元妻から言われたが僕も考えてた。あの事件をきっかけに3人を僕が一緒にいたら守れないと思ったから。その日の夜はお互い泣きながら愛し合った。お互い嫌いになったわけじゃない。むしろ好きでだけど妻は子供のため僕は3人のため別れた。もちろん親権は妻に僕といたら狙われるかもしれないし3人が家から出る日。妻は書類上赤の他人になってもあなたも私の家族だから。自慢の夫よと抱きしめて言ってくれた。嬉しかった。お互い泣いてキスをして別れを惜しんだ。お互い違う人生を送る。もう交わることはないだろう。だけどきっと僕は彼女以上に好きになることはないだろう。たとえ運命だとしても
その日予想通りレイアは家に来た。今度、レイアに会ったら番契約をしようと思ってた。それを持ちかけると嬉しそうに泣きながら頷いた。レイアは発情促進剤を自分の体に入れてその日の夜。番になった。レイアは嬉しそうに自分の頸を撫でていた。その姿が可愛いとは思えなかった。自分はαとして異常なのだとわかってる。自分の番を愛せなく嫌うなんてそんなのおかしいことぐらいでも愛せない。家族を間接的だが奪ったこいつを愛することなんてできない。そういうところが僕は欠陥品なのだと思う。アイツは頸を撫でたあと僕を見て
「巴、君の気持ちがないことを知っていても番になれて嬉しいよ」
と言ってきた。泣きながら笑ってそして
「これから巴が俺を好きになるように頑張るね」
と言ってきた。怖くて仕方なかった。僕とは違う生き物としてしか映らなかった。心がなくても喜べるなんて僕には一生できないだろう。現に今も嫌悪感で吐きそうだ
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