加西は純粋でやっぱり可愛かった

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加西は純粋でやっぱり可愛かった

 夏休みが終わり、2学期が始まった。そして、2学期の始まりとともにクラスの文化祭の準備が始まった。俺たちのクラスはクラス企画とバザーを合体してメイド喫茶をすることになった。なんか、ベタだな。 「ピンクがいいなー」 「えー、水色の方が可愛いよ」  何かを見ながら女子たちが異様に盛り上がっていた。見すぎたのか、その輪の中にいる桧倉(ひくら)と目が合った。桧倉は俺に近づいてきた。いや、怒らないで。 「何か用事ある?」 「別にねーよ」 「でも、ずっとこっち見てたじゃん」 「いや、うるさかったから」 「あー。今、クラスTシャツのデザイン決めてたの。燎太も一緒に決める?」 「決めねーよ」 「どうせ燎太(りょうた)も着ることになるんだよ」 「え、俺も着るの? いらないんだけど」 「クラスの一体感を出すために買うんだから、燎太もちゃんと着てよ! せめて形だけでもクラスに溶け込まなきゃ」  ちょっと、さらっと結構ひどいこと言ってるよこの子。 「お、おう」  俺と桧倉が話している間に女子たちはどうやらクラスTシャツのデザインを決めたらしい。 「でも、この絵誰に描いてもらうの?」 「絵とか描けなーい」 「誰か上手そうな人いないの?」     
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