未加入希望。帰宅部

2/9
前へ
/122ページ
次へ
「明日の連絡事項はこれくらいかな。じゃあ、挨拶をしましょう。あ、加西(かさい)くんと久坂部(くさかべ)くん、陣内(じんない)さん、新島(にいじま)くん、桧倉(ひくら)さんはこの後前に来てください」 「起立、礼」  挨拶をした後俺は前に出た。  あ、やっぱりばれますよね。だって、帰宅部なんてないもん。でも、他の4人は何なんだ? 「この5人の共通点は何でしょう?」  先生が急にクイズを出してきた。  え? 共通点? あるの? まだ会って2週間なのに発見したの? 「もしかして、5人とも入部届を白紙で出したんですか?」 「正確には違うけど、大体正解」  先生は人差し指をピンと立てた。  先生、若くてかわいいから許されるけど、このポーズ、5年後やってたら痛いですよ……。 「大体ってことは誰かは何か書いていたんですか?」 「そう。ここにいる誰かがありもしない部活を書いて提出しました」  と言いながら先生はガッツリ俺を見てきた。それに気づいた他の4人も俺を見始めた。  いや、そんなに見ないで、恥ずかしいから。 「お気づきだと思いますが、この久坂部くんが『帰宅部』と書いて提出しました」  気づかせたの先生ですよね…… 「でも、偶然にも帰宅部入部希望者が他にも4人もいました」 「私、帰宅部なんて書いてませんけど」 「ぼ、僕も、白紙で出しました……」 「萌百菜(ももな)だって書いてないよ!」 「俺も」     
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加