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そう言うと三宅先生は教室を出て行った。
「萌百菜、話し合いとか苦手なんだけど―」
「仕方ないでしょ。三宅先生に頼まれた仕事をこなすのが私たちの仕事よ」
「はーい」
「ぼ、僕もこういうの苦手なんだけど、燎太と晟斗は得意?」
「得意ではないけど、何回かはこういうのに参加したことはある」
「晟斗はやっぱすごいね。燎太は?」
「なわけねーだろ。俺はこういうのを避けてきた側だ。それどころか存在すら忘れられてて参加する余地もなかったくらいだ」
「それ、自信ありげに言うことじゃねーぞ」
新島が冷めた声で言った。
***
話し合いを行っている教室に着き、扉を開けると一斉にみんながこちらを見てきた。すると、すぐに文化祭実行委員長と思われる人物が話しかけてきた。
「もしかして、帰宅部の皆さんですか?」
「はい。三宅先生に文化祭実行委員会に協力するように言われてきました」
「私、文化祭実行委員長の倉敷華です。早速なんだけど、テーマがなかなか決まらなくて……。何かいい考えがあれば遠慮なく発表してね」
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