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委員長が状況を説明している間に周りの委員の人が俺たちの席を準備していた。準備された席に座ると、話し合いが再開された。
「じゃあ、話し合いの続きをします。漠然としててもいいので何かありませんか?」
委員長が話を振っても誰も発言しない。もしかして、さっきからこれの繰り返しなの? これ、一生決まらないんじゃない?
「うーん……。困ったな。できれば今日中にテーマを決めたいんだけど……」
あぁ、わかった。毎年間に合わない理由ってこの話し合いに時間がかかって準備に取り掛かれないからだな。でも、この状況って俺たちが来たところで変わらないと思うんだが。
「すいません。昨年と一昨年はなぜあのようなテーマになったのですか?」
しびれを切らしたのか、陣内が発言をした。
「えっと、資料によると、昨年の『古典文学』は委員長が古典文学を好きだったからで、一昨年の『TSD48』はこの高校出身の方がアイドルの総選挙で1位を取ったことを記念して高咲台のTSDを取ったそうです」
「そうですか……」
「じゃ、じゃあさ、私たちの好きなものを挙げていってその中で良さそうなのをテーマにするのはどうかな?」
陣内の隣に座っていた桧倉が少し顔を赤くしながら発言した。ホントに苦手なんだなこういうの。
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