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「そうですね。じゃあ、みんなが好きなものを挙げていってください」
そう言っても委員会の人たちは誰も発言しない。みんな、好きなものないの?
「誰も発表しないなら俺から言います。俺はロック系のバンドとかが好きです」
新島もこの状況を打破しようと発言した。
「萌百菜は原宿が好き! ほら、結優も。何が好き?」
「え、僕は……」
人前で話すのが苦手な加西は困った顔をしたが、何か言わなきゃと小さな声で発言した。
「スイーツ、とか」
「あ、萌百菜もスイーツ好きだよ! 高咲台駅の近くにおいしいパンケーキ屋さんあるよね」
「うん。まだ行ったことないけど、おいしいって評判だよね」
同じ趣味の人を見つけた加西は少しテンションが上がっていた。それにしても、ホント、加西ってかわいいな。
「私もまだなんだよねー。今度みんなで行こうよ!」
って、2人で勝手に盛り上がって話がそれてません?
「その話はまた改めてやりましょう。では、私が好きなものは花です」
改めてするって結構乗り気ですね。
「さぁ、部長さん。あなたも言いなさい」
そうなりますよね。こうなると予想しときながら全く答えを用意していなかった。
「あれだな。人間観察」
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