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「書いてないってことは、いわゆる『帰宅部』ってものに入部したいってことでいいんでしょ?」
先生はよく分からないでたらめな論理を披露していた。
「そもそも、帰宅部は許されないのでは? だから、何かの部活に入部させようと説得するために私たちを残したのではないんですか?」
長い黒髪の女子生徒が全くの正論を言った。
「本当ならそうするところなんだけどね。たまたま5人もそろったし、本当に『帰宅部』を作ることになったの。その部員があなたたちです」
急に言われてみんなぽかんとした表情だった。
いや、そりゃそうでしょ。
「帰宅部って帰るだけですよね? いいんですか? そんな部活作っても……」
マッシュルームヘアの男子生徒が少し困り顔で聞いた。
ってか、かわいい顔してるなこの子。本当に男子?
「それについては安心してください! 校長先生からの了承はもう得ています」
「夕姫先生、それ、本当?」
「本当ですよ。だから、今日からあなたたちが『帰宅部』の部員で私が顧問です! よろしくお願いします」
「よろしくって……俺、まだ入るって言ってませんよ」
「じゃあ、新島くんは何か他の部活に入るの? バスケ部とか」
「バスケはもうやらねーよ!」
急にその新島って奴は声を荒げた。何か気に障ったのであろうか。
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