0人が本棚に入れています
本棚に追加
「確かに、今から考え直してちゃんと部活に入ることをお勧めします。でも、2週間も考える時間があって入ろうとしなかったあなたたちはこの『帰宅部』に入ることを選びますよね? 特に、久坂部くんは」
やっぱ俺に振られますよね……。
「まぁ、どの部活にも入らず帰宅部を許してくれるのなら」
「ほかの4人は、どうする?」
「……僕も、入ります」
「じゃあ、萌百菜も」
「いいよ、俺もそれで」
「陣内さんは?」
黒髪の女子はずっと黙っていた。
「私は……」
それからまた何も言わなくなった。
「この5人は同じクラスだし結構人選的にもいいと思うけど」
それでもしばらく黙ってやっと小さく口を開いた。
「私も……入ります」
「よし! 決まりだね! 部長は『帰宅部』って書いた久坂部くんね」
「え、俺ですか? 嫌です」
「あら、わざわざあなたの希望通りの部活を作ってあげたのに?」
先生の目は「やりなさい!」と言わんばかりに鋭かった。
「やります! やりますよ」
この先生、普段みんなに接する時より怖い……。
「副部長は……陣内さん、やってみない?」
「私ですか」
「陣内さんは冷静だし、部長があれだから支えてほしいんだよね」
あの、俺に部長をさせたの先生ですよね?
そして、ちらっとその黒髪の女子は俺を見てため息をついた。
「仕方ないですね。やります」
え、ひどくない? ほぼ初対面だよね? 俺たち。
「ちなみに、みんなお互いの名前知ってる?」
最初のコメントを投稿しよう!