未加入希望。帰宅部

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「確かに、今から考え直してちゃんと部活に入ることをお勧めします。でも、2週間も考える時間があって入ろうとしなかったあなたたちはこの『帰宅部』に入ることを選びますよね? 特に、久坂部くんは」  やっぱ俺に振られますよね……。 「まぁ、どの部活にも入らず帰宅部を許してくれるのなら」 「ほかの4人は、どうする?」 「……僕も、入ります」 「じゃあ、萌百菜も」 「いいよ、俺もそれで」 「陣内さんは?」  黒髪の女子はずっと黙っていた。 「私は……」  それからまた何も言わなくなった。 「この5人は同じクラスだし結構人選的にもいいと思うけど」  それでもしばらく黙ってやっと小さく口を開いた。 「私も……入ります」 「よし! 決まりだね! 部長は『帰宅部』って書いた久坂部くんね」 「え、俺ですか? 嫌です」 「あら、わざわざあなたの希望通りの部活を作ってあげたのに?」  先生の目は「やりなさい!」と言わんばかりに鋭かった。 「やります! やりますよ」  この先生、普段みんなに接する時より怖い……。 「副部長は……陣内さん、やってみない?」 「私ですか」 「陣内さんは冷静だし、部長があれだから支えてほしいんだよね」  あの、俺に部長をさせたの先生ですよね?  そして、ちらっとその黒髪の女子は俺を見てため息をついた。 「仕方ないですね。やります」  え、ひどくない? ほぼ初対面だよね? 俺たち。 「ちなみに、みんなお互いの名前知ってる?」     
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