伏線

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その当時はまだ彼の奥様は健在。 若いころより肉付きがよくなって よく言えば会社経営者としての貫禄がついてた。 地元でお父様の事業を引き継いた長男として もちろんそれなりの苦労もあるはずで わたしは彼の目にそれを感じてた。 啓介はもっと澄んだ目をしてた。 いや、濁ってしまったとは言わないけれど どこか哀しみや 孤独みたいなものが窺えてしまったのだ。
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