「望むところよ」

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二年前の初夏。 地元の仲間の集まりは盛り上がった。 「同級生ってやっぱいいよな」 「きょうだいみたいなもんだからね」 そうなんだ。 何年会っていなくても たちまちあの頃に戻れるのはホント。 さんざん呑んで食って笑って お決まりのカラオケコース。 また定例会ってことで、の声をききながら どちらからともなく わたしと啓介はこっそり抜け出した。 電車に乗る彼を見送りたかった。 わたしひとりで。 改札口まで行ったところで振り返り 「もうちょっと、呑みにいくか」 うれしかった。 もっと話がしたかった。 家族のこと 仕事のこと 共通の友達のこと それは真実。
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