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翌日。終わったばかりの中間テストの結果が廊下の掲示板に張り出された。優愛が通う星ヶ丘高校ではテストの成績上位20名が掲示板に張り出されることになっていた。掲示板の周りにはたくさんの生徒たちが集まっていた。その中でも注目を集めている生徒が2人いた。
「陽翔くん、また1位だね」
「さすが陽翔だな」
「旭くんもまた2位だよ」
「この2人はいつもダントツだからな」
優愛の学年は1年生の頃から1位が朝永陽翔、2位が旭慎吾で変わることがなかった。そして、今回のテストもこの2人が3位に大きく差をつけて1位、2位に輝いていた。しかし、1年生の時と違うところが1つだけあった。
「くそっ! また陽翔のやつ1位かよ」
悔しがっているのは今回も僅差で負けた2位の旭だった。
「でも旭、クラスの平均点見てみろよ」
「え!? 陽翔のクラス最下位じゃん」
今まで陽翔がいたクラスは平均点も高く、クラス全体で1位になっていた。しかし今回はなぜか最下位だった。そのことは旭たちだけでなくみんなが驚いた。その時、誰かが小さな声でひそひそと言い出した。
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