中間テストが生んだ危機

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「ねぇ、5組の人たちだよね? 高橋さんって知ってる?」 「わ、私だけど……?」 「あ、キミが高橋さん? 今回のテストどうだった?」 「え、なんでそんなこと聞くの?」 「いや、いつも陽翔のクラスは平均点で1位なのに、今回は最下位だからさ。その平均点を下げた高橋さんって人が気になっちゃって」 「え!? 私たちのクラスが最下位なの!?」  璃菜はその男子生徒から聞いたことにとても驚いた。 「そのまえに、あなた誰ですか?」 「あ、ごめん、ごめん。俺、3組の旭慎吾。キミは掛野(かけの)(さき)ちゃんでしょ? 学年20位以内に入るくらいなら高橋さんに勉強教えてあげればいいのに」  咲はなおも険しい顔をしていた。 「やっぱり、私のせいだよね……」  優愛は自分の学力が他人に迷惑をかけてると知り、申し訳なく思った。 「陽翔プライド高いから怒ってるんじゃないか」  旭が優愛に嫌味を言っていると、そこに男子生徒が一人やってきた。
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