中間テストが生んだ危機

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「別に、怒ってねーけど」  旭を睨みつけながら言ったのは陽翔だった。 「朝永くん……」 「別にクラスの平均点とか考えてないし。そもそも順位とか意識してない」 「なに? 1位の余裕ってやつ?」 「でも――」  そのとき陽翔は少し優愛を見た。 「そんなに競いたいなら次のテストでクラスでも1位になってやるよ」 「は?」 「俺がこいつに勉強を教えてクラスの平均点を上げればいい話だろ」 「え!?」  優愛は陽翔が今何を言ったのか分からなかった。思わず声を上げてしまった。
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