1人が本棚に入れています
本棚に追加
開けっ放しの窓を見て、不用心だなぁと思った。
短い時間でも空き巣は簡単に侵入する、そうテレビでやっていたのを思い出して。
今の俺には、やる事もなければ、行く場所もない。
なんとなく気になってそのまま眺めていたけれど、窓は一向に閉められなかった。
そもそも、人がいる気配がない。
まさか…留守なのか?
思わずキョロキョロ辺りを見渡した。
部屋は二階、目の前には電柱。
その電柱とマンションの柵に足をかけて登っていけば…届くんじゃないだろうか?
思いついてしまったら、行動せずにはいられなかった。
運動なんてしばらくやっていないけど、意外と動けるもんだ。
そして気付けば、自分でも驚くほど簡単に、俺はそのベランダに立っていた。
ここまで来たら、覚悟を決めるしかない。
隙間に手をかけ、窓を開ける。
そして部屋の中に体を滑り込ませると、そこには思いもよらない光景が広がっていた。
最初のコメントを投稿しよう!