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「こういうことも、観光情報誌から得ているようなんです、ミナが」
「ああ、レグノリアでも役に立つのね。観光でユーカリノまで行くかしら」
「ユーカリノと言ったら彩石湯ですね。見るものなら、博物館、彩石発動館、彩石運動公園、ユーカリノの遊戯場は特に、彩石をふんだんに使っているんですよ」
「そうなの。確認したいところね。また来週泊まりがけで行ってみようかしら」
「まずはレグノリアですよ」
「それもそうね」
「あと土産って必要じゃありません?私、実家に帰ると仲間用にって、菓子を持たされるんです。国賓、公賓だったら、もっとしっかりしたものが必要になるんじゃ?」
「そうね、アーク様は色々知っていそうだけれど、私も把握しておきたいわ」
ところで喫茶店に入らない、とセレンが誘い、飲み物を頼む。
「レグノリア区出身だけど、案外知らないものね。参考にさせてもらうわ」
「ミナからの情報です。きっと喜ぶんでしょうね」
「ミナ様ってどこか不思議な方ね」
「ええ。いろんなものを見ておられる…」
ふたりは色々と話し、魚市場を見て、夕食まで一緒に摂って帰った。
翌日は、セレンは修練室でキャレインたち機警隊の女騎士たちと一緒になった。
朝食を摂りながら、今日は何をする、と話す。
「私は朝のうちは鍛練して、昼からレグノリアの街を歩くんです。情報収集のために」
「鍛練ってどんなことをしているの?」
「今は空中跳躍に夢中なんですけど、柔軟も大切にしています」
「ああ、知っているわ。ハイデル騎士団がしているわね。私たち、なかなか上に乗れないでいるのよ。修練不足らしいわ」
「修練ってすごいですよね。できることが飛躍的に進化します」
「情報収集はどんなことをするの?」
「主に要人の案内です。どちらにお連れすれば喜ばれるのか、考えます」
「異国からの客人ね。その異国に何があるか、ないかにも、よるのじゃないかしら」
「異国にあるものとないもの…」
「例えば大陸には荒野が多いから、ボルファルカルトルほどではないレシェルス区でも、異国の客人には一見の価値があるのかもしれないわ」
「なるほど。景色ひとつも大切なのですね」
「そう、植物なんて、花の季節とかもあるわね。サルーナ・リーやズリューナの丘は年中咲いているけれど、蒔季の…種蒔きの時期によって、開花日も違ってくるわ」
「そんな景色も見ていただきたいですね」
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