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「ええ。そういう四季も把握しておく必要があるかもしれないわね。従者は大変ね。今のところ順調?」
「順調というか、吸収しています。従者としてはまだまだですね」
「たまには息抜きをしないと。情報収集がてら、トルム通りを歩かない?どんな職人がいるか、把握するのは難しそうだけれど」
トルム通りとは、職人街といって、個々の職人たちが店を構えている通りなのだ。
「行きます!というか、私に付き合ってくださるんですか?」
「いえ、ちょうど行こうかと思っていたところ。遊びよ」
そんな風に予定が決まり、朝のうちは鍛練を、昼からは人の多いトルム通りを歩いた。
「すごいわね。休日はお勧めしない方がよさそう」
キャレインが笑いながら言った。
セレンも人の多さに仕方なさそうに笑った。
そんななかでも、要人を案内するのに良さそうな店を探し、夕方になった。
「今日はずいぶん歩いたわね!明日に響かないようによく休まないと」
「そうですね。今日はありがとうございました」
「お礼なんて。ただ遊びに来ただけよ」
キャレインも、ほかの女騎士たちも笑顔で応える。
こういう気遣いも従者には欠かせないなとセレンは覚えた。
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