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連絡道路という、上部が道の形で、馬車ごと対岸へ渡す船をぼんやり見ていると、ミスエルはシェイドの手の温もりを求めていた。
そっと手を差し出すと、ん?と首を傾げながら握ってくる。
ミスエルは嬉しくなって、なんでもない、と言って、チュウリ川に目を戻した。
シェイドに寝台に誘われると緊張するのは、しばらく続くかもしれないけれど。
自分たちの歩幅で、速度で、歩いていけばいい。
今はこんなに豊かな気持ち、落ち着いた気持ちだ。
「ご飯食べに行こうか!」
ミスエルが手を繋いだまま元気にシェイドを見た。
シェイドは微笑んで、ああ、そうしよう、と答えた。
街灯の明かりが、ふたりと、行く道を照らしていた。
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