食べ歩き

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食べ歩き

祭王親衛隊のギイル・シュトゥッツウェルは休日に食べ歩きに出るのが習慣化してしまった。 これに付き合ってくれるのが、同じ組のハウント・ハント、ルートヴィイ・リヒト…ヴィ、カイザック・ドュード…ザック、クラウス・ロスだ。 今日はグランレン修練場創建局のあるレゾン地区で、創建局第1棟に近い食堂に来ていた。 「ここはコズリの店なんだ。休日は平日の暁の日」 なかは少し暗く、2階もありますと言われたので上がってみると、わりと広い店内が見渡せた。 クラウスが言った。 「小さいかと思ったけど、案外、(ひと)、入りそうだな」 「ミナリ通りに近いから、かなり人が入りそうだ。献立はこれだ」 6人座れる机に2冊の献立表を広げる。 「長いコズリと短いコズリとその他のコズリに分かれてる。そこに取り皿があるから、皆で分けて食べられるんだろう」 ハウントが布を掛けられた取り皿を示した。 「焼き立てフッカおかわり自由だと。満腹になりそうだ」 クラウスが献立を見ながら言った。 「どれにする?」 「1人ずつ好きなものを選んでくれ。取り皿で取る。あと、コズリ以外に魚料理を頼もう。この白身魚の揚げ物はいいんじゃないか」 そんな風に話して、コズリを5人分と、肉を揚げたものと魚を揚げたもの、それから生野菜の和え物を2種類頼んだ。 生野菜の和え物はすぐに来て、その多さに一同は目を丸くした。 クラウスが横を向いた。 「俺…あんまり食べられないから」 「何言ってる、また笑われるぞ。少しは野菜嫌いを改める努力をしろ」 ザックに言われて、クラウスは少しだけ取り皿に取って食べた。 「…あんまり青臭くないかも」 「垂れがよく絡んでいるからな。まあ、もう少し食べてみろ、こっちも」 そうして生野菜の大きな器がからになった頃、コズリが出来上がってきて、焼き立てフッカを1人ふたつずつ配られた。 様々な形と味のコズリを楽しみ、焼き立てフッカを食べて満足すると、サステッサ体練場に行こうということになった。 有料だが、様々な道具を使って体の各部位を柔軟にし、また鍛えられる。 一同は分かれて汗を流し、終わって湯を浴びると、今度は甘味亭に行こうと港通りへと馬車で向かう。 桟橋のすぐ近くにある甘味亭で甘いものを食べ、苦い豆茶を飲んでひと息つく。 「湖の応用修練場が開けば、この辺りの店にも来ることになると思うんだ。だから夕食はここで食べていく」
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