Mesocricetus

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日付変更線の手前 ホイールの音を聴きながら 虚しさを反芻する 君はあんなにも 暖かくて柔らかい 言葉を持たない君が 何より慰めなんだ 「もしも 小さくなって 君を抱き締められたら」 そんな馬鹿げたな願い 目の奥がツンとして 心臓に刺さる 引き裂く 毎日声を掛ける 「大好きだよ」 頬擦りして 泣きたくなるくらいに 君は 日付変更線の手前 ホイールの音を聴きながら 「苦しい」が無限に回転 キミはこんなにも 暖かいくせ鋭利で やっぱり涙が出るね 今日も諦めたんだ 毎日頬を寄せる 「大好きだよ」 キスをしても 泣きたくなるくらいに キミは 一番近くにいるはずなのに ちっともこっちを見ない だからね ふわふわの君が 何よりの慰め 大好きだよ 大好きだよ 哀しいよ また頬が濡れてしまう 日付変更線の手前 ホイールの音を聴きながら 「苦しい」が無限に回転 キミはこんなにも 暖かいくせ鋭利で やっぱり涙が出るね 今日も諦めるんだ 君はあんなにも 暖かくて柔らかい 言葉を持たない君が 何より慰めなんだ 今日が終わる
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