海辺の家

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gateauに電話が入って、颯太は病院に呼ばれた。 お母さんの容態が急に悪くなったのだ。 ここ数日、お母さんは目を覚まさなくなってきていたので、 夏希ちゃんが付き添っていた。 理解していても、感情は別だ。 颯太は動揺して、立ちすくむ。 私は手を握り、声をかける、 「後で、行くから、夏希ちゃんが待ってる。」 と顔を見ると、やっと私の瞳に焦点が合って、ゆっくり動き出した。 オーナーが 「店のことは気にしないで。」 と声をかける。 颯太は頷いて、店を後にした。
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