帰郷

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「じゃっ」 と手を振ろうとしたら、その手を捕まえられた。 何? 「爪、ネイルとかしないんだな。」 と指先を見ている。 そりゃ、ナースはそんなものしませんけど。と言おうと見上げると、 颯太の顔が私の首筋に近づく。 か、顔が近いですよ?! 「普段から、香水とかつけない?」と聞くので、 「…つけないけど」と答えると、 なぜか颯太は満足げに笑い、 「今日、暇だろ。 ケーキ食べさせてやるから、店に来いよ。車の運転する?」と、聞く。 私はうなづきながら まあ、あの住所の場所には車が便利だね。と思う。 えーと、 ケーキ食べさせてくれるっていう事は 昔の事は気にしてないのかな? あの店のケーキにはすごく興味がある。 「…うん。じゃあ、行こうかな。」 とケーキにつられて言うと、 「夕方4時頃な。」 と言って、颯太は軽やかに走り去った。
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