きらびやか学園初等科5年、山田ジュテームアームストロング花

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**  三笠山すばる。  確かに同じクラスにいる。顔位なら思い出すことができるが、喋ったことすらない。    というか、わたしは男子とあまり関わりがないんだよ。  わたしは、教室ではひっそりと生きている。喋るのは幼稚園の頃からの親友、桜川こまちちゃん位。  クラスメートたちは、わたしのことを大人しくて内気な人だと思っている。その上、病弱という尾ひれまでつけられている。  なぜならわたしは、体育に一切参加していない。これは、初等科入学時、おとーさまから直接、学園理事長に願い出たためだ。  「身体的な理由」のため、わたしは学園では、運動は一切禁じられているのだった。    「花さま、お体が弱くていらっしゃるから」    女子たちはみんな、腫れ物にでも触るように接してくる。  そんなわたしに、男子が近づいてくるわけがない。  (まあ、いいんだけどね)  一匹狼気質なのは、雪ねーさまも同じだった。ただし、ねーさまの場合は学園の姫として気高く咲き誇っていたのであり、腫れもの扱いされていたわけじゃない。  ねーさんは普通に体育の授業に参加していたはずだ。あの人は色々と特殊だけど、わたしみたいな事情はなかったからな。
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