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『沙希、ずっとアツヒロに由香里に謝れって絡んで離さなかったから、面倒になってアツヒロにお願いしたのよ』
受話器の向こうは暢気な朋に愕然とするしかない私。
面倒臭がらないでよ!
お願いしないでよ!
こっちは、過ちじゃ済まされないことになってしまったんだから!
『なぁに~?アツヒロと何かあったのー?』
ぎくぅ!
言えるわけない……言えるわけない!
アツヒロと朝ちゅんしたなんて!!
「な、何かあるわけないじゃん!チャラ男だよ!?」
『ほんとにー?あやしーい』
語尾を上げて訊かれて、心は益々ハラハラドキドキ。
「ないないない!」
『まぁ、その話はとりあえずいいや。来月同窓会しようって話になったのよ』
誤魔化していたら朋が言った。
「え」と携帯を持ったまま固まる私。
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