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「ねぇ、何でホテルに行く事になったわけ?」
『え?光輝に誘われて……』
「どうやって?」
『さっきから質問攻めだね』
「だってモヤモヤするもん。で、どうやって?」
『えっと、トイレ出たら光輝がいて、一緒に抜けようって……』
「ねぇ、ズバッと訊いていい?」
『何?』
「……高遠君にちゃんと好きって言われた?」
『…………』
そう問い掛けると長い沈黙を作る絵麻。
「もしもーし、絵麻ちゃーん?」
『朝起きたら、用があるからってすぐに帰って行った……』
「え」
高遠君は中学の時から絵麻を大切にしていたし、昨日久々に見た彼は雰囲気も変わってなかったし、酷い男だとは思えない。
だけどその行動は……
「ねぇ、こんな事言いたくないけど、高遠君、ヤりたかっただけじゃないよね?」
思わず私が本音をポツリと溢すと、再び広がる沈黙。
私が不安になるような言葉を投げてどうする!
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