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「ふふっ。ありがと」
「しかももう跡継ぎも産んだから万々歳ね」
目の前の莉緒は幸せそうな顔で赤ちゃんをあやしている。
この子はもうすぐ1歳の莉緒の息子の海。
「でも私達は会社を継いでもらおうとは思ってないから。社長がやりたいならやれば良いし、自由に好きなことをして生きて欲しいの。でもね、仁すらまだ社長にもなってないから先の先の話だよ」
「凄い夫婦だね。普通自分の子供に跡継がせたがるでしょ」
「うちは自由なの」
お金も沢山あるからかな。
自由だな。
あー、羨ましすぎる。
「あー、良い男。落ちてないかなー」
私はアイスコーヒーのストローをくわえながら溢す。
「沙希、最近それ口癖だね」
「あ。いたわ、良い男」
「え?どこ?」
莉緒はキョロキョロ辺りを見渡す。
「ここ」
「え」
私が笑顔で莉緒の抱いている海を指差すと莉緒は目を丸くする。
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