第2章 夜の公園

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性格はというと、コースケは真面目で大人しい性格で、ちょっとぼーっとしてるというか、抜けてるとこがあるというか… シャキシャキしてて、いつもみんなの笑いの中心にいる(と自分では思ってる)私とは正反対の性格。 まあそれだから、上手いことやってこれてるんだろうけどね。 割れ鍋に綴じ蓋ってやつ? あれ?ちがうか。 しばらく車を走らせた後、コースケは夜景の見える高台の公園の駐車場に車を停めた。 駐車場脇の階段を上がり、夜の公園の中を二人並んで歩く。 アラサーで、且つ交際歴も既に10年にもなると、手を繋いで歩くことは、滅多にない。 でもそれももう慣れた。 歩きながらふと気づいた。 市内屈指の人気夜景スポットのはずなのに、公園の中に人気がない。 公園の中にある夜景が一番良く見える展望台は公園の中ほど。 もうちょっと歩いた先だ。 ほどなく、公園に誰もいない理由が分かった。 展望台に上がる石段が先日の大雨の影響で崩れて封鎖されていたのだ。 「展望台、上がれないね」 私が呟くと、立ち入り禁止と書かれた札と規制ロープを睨みながら、コースケはちょっとムッとしていた。 しばらくすると何か閃いたのか、 「マユミ、こっち」 と私の手を引き公園の奥にどんどん入っていく。 「ねえ、なんだか暗いし、怖いよ」     
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