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「だっ・・・から離せって!!」
あまり人気のない廊下で数少ない通行人が物珍しそうな目で見て追い越していく。
ちょっと誰か助けるなり声かけるなりしてくれてもいいんじゃないの?
腕にしっかりとしがみついて離れないそいつをキッと睨みつけるとさらにしがみ付きながらぱっと笑顔になり言い切る。
「離さないよ!」
「いや、離せよ
私は行くところがあるの!
何でそんなについてきたがるんだよ」
「香澄が大好きだからだよ!
香澄が行くところならどこでもーーーいてっ!」
やっと逃げられた!!!
いくら人気が少ないからと言って廊下で、しかもしがみ付かれながら大声で好きだとかなんとか叫ばれたら恥ずかしいし周りにどんな勘違いをされるかわからない!
手加減しつつ頭にチョップをすればびっくりしたのか八木坂はしがみ付いていた手を緩めた。
さっと手を引き抜き先生がいないことを確認しつつ廊下を猛ダッシュで逃げ走った。
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