181人が本棚に入れています
本棚に追加
第5章 契約の最後
あれから毎日にように、本田さんの車を会社の前で、見かけるようになった。
でも、私の方も毎日無視していた。
本田さんも、車を降りるでもなく、私も足を止めるでもなく。
そんな事が、一週間も続いた頃だった。
「相手、見つかったわよ。」
三宅先輩が、ランチを一緒にしている時に、教えてくれた。
「今度は、どんな人ですか?」
「雑誌の編集部の部長している人。何でも、若い子と話したいんですって。」
若い子?
それは、私でもいいのかしら。
「それと話をするだけだから、報酬は少ないって言ってたわ。」
三宅先輩は、お金の事も心配してくれた。
「大丈夫です。泰介の退院の目途はつきましたし。」
私は、笑顔で応えた。
最初のコメントを投稿しよう!