クラスメイト

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「しかもね! 電車に乗ったらさ、いつもは満員で座れないのに、今日は座れたんだよ」 僕は一応顔を上げて、それはついてたね、と言った。 しかもね、と彼女はさらに続ける。まだあるのかと苦笑いするが、とりあえず聞いてみることにした。 そのあともいくつか彼女の話を聞いた。 朝スッキリ起きられた、自販機で飲み物を買ったら当たりがでた、好きな作家の新刊をたまたま見つけた、など本当に他愛のない話だ。 僕は彼女の無邪気な顔と手元の本を見比べ、結局本を閉じて、机に閉まった。
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