続・ジャスティス

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 お姉さんの頬笑みはより一層優しさを増していた。  彼女こそが株式戦隊ヨンジュウハチレンジャーの取締隊員兼本部総務推進室長・ホワイト。彼女に「ホワイトさんって、ホワイトって言うより、むしろ全然ブラックですよね」と何気なく言った隊員が翌日行方不明となり、一年後に東京湾の底で見つかったという話は実に有名である。  ・・・・・・・・・・。 「続いて理事隊員・ピンク君。証言台へ」  呼ばれた先には女子大生隊員であるピンクが居たが、何やらスマホを弄ってばかりで反応がない。 「ピンク君ッ。証言台へッ」  議長が少し苛立った様子で叫ぶと、 「ああ、もう。議長ッチってばうっさいッ。ウチ、今、彼氏とMINEでケンカになっちゃってんのッ。とりあえず、飛ばして次行って良いからッ」  だ、そうであった。  そしてピンクの隣には、取締役総隊長であるレッドが瞼に目を書いてスヤスヤと寝息を立てている姿があった。  株式戦隊ヨンジュウハチレンジャー。  彼等は100人を越える大規模戦隊。正義の組織だ。そのメンバー全員がレッドの掲げた崇高なる正義を共有している。皆が正義の心を持つ。  株式戦隊ヨンジュウハチレンジャー。  正義の組織は今日も内部告発が絶えない。 (了)
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