遭遇

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もうすぐ日が沈む。 確保しなきゃいけないのは水やアイテムだけじゃない。 食料も、寝る場所も探さなければ。 今の優先は寝る場所。 身を隠せて、安全で、周りを見渡せる場所がいい。 思い立って歩き始める。 「……嘘だろ!CBX?何でこんなお宝が…マジか。これもアイテムだってことかよ!」 砂浜から見えた木が生い茂る場所。 大抵の場合、山水が流れていることが多い。 寝る場所と共に水も確保できないかと淡い期待を抱きながら近づいて見つけたアイテムは、現実世界じゃ売りに出せば100万以上するバイクだった。 バイクを少し揺らせてみるとタプンと聞こえた。 ガソリンはある。多分満タンに近い。 なるほど、鍵がない。動かすために必要なものを見つけないとダメだってことか。 しかし、この手の旧車は、別に鍵がなくても動かすことは簡単だ。鋏や十徳ナイフみたいな固く細く平たいものを差せば鍵の代わりになる。 …それもないのがこのサバイバルゲーム。 車体を見れば、 「…どこのバカだよ…直菅か…」 CBXと言えば、昔の暴走族によく使われていた。 爆音を出すために、マフラーのサイレンサーを取り外した奴が多かったが、それがそのままここに運ばれた感じ。 ちゃっかり風防も着いてるし、シートも取り外した形跡がある。 問題は、こいつを始動させれば、この静かな島のどこにいても俺の居場所がバレるということだ。 もちろん、西岡が見た異常遺体を作ったキチガイ野郎にも、生きている人間がここにいると宣伝しているようなものだろう。 問題はある。 しかし、利点もある。 「……………」 移動手段としては魅力的。 今まで出会ったやつらは刃物拾得者が多いことから、恐らく刃物は簡単に見つけられるからバイクを動かすことは出来る。 それに、ガソリンという可燃性に優れた液体は、いずれ役に立ちそうだ。 どういう使い方が最善か。
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