未知の恐怖

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まず語られたのは、このゲームがハイリスクハイリターンだってことだった。 その事を念頭に置き、賞金のこと、地図機能のこと、アイテムのこと等を続けざまに語られる。 そしてメールのこと、敵のこと、管理本部のこと。 「…大丈夫か。」 「…あ、頭が混乱しそうだ…」 「混乱しそうでも整理して覚えてろ。お前が生きるために必要な情報だ。知っておいて損することはない。」 「…あんた、なんでそこまで詳しいんだ?」 「考えれば分かることだ。」 話はアイテムを探しながら行われた。 かなりの距離を歩いた気がする。 自分の体力も限界に近いほど疲れを感じたが、男は飄々と歩き続けていた。 その間、次々とアイテムを見つけていく。 「…よく見つけられるな。」 「コツをつかんだ。」 「コツなんてものがあるのか?」 「ああ。…お前には教えてやらねぇけど。」 「なんでだよ!一人より二人の方がいいだろ!」 「…これを持ってろ。」 フッと笑った男は、俺にダガーを手渡す。 「お前の身を守るためのものだ。あと生きるためのもの。肌身離さず持ってろ。」 そしてまた歩き出す。
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