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瞬間。
「うわっ!なんだ!」
「いちいち大声出すな。これがレーダー通知だ。」
男の携帯が鳴り響いた。
地図機能。それは首にある爆弾と連動するものだったはず。
俺はそれを開けなかったが、男は即開いたという。
しかし、そのハイリスクのハイリターンがレーダーによる位置情報取得。
携帯を見てピタリと停止した男。
10分ほど身動きせず、携帯を眺めただけだった。
その携帯を見ると、中心に二つのポイント。そして俺らが向かっていた方にも二つのポイント。
「…相手は地図を開いてないな。」
「なんで分かるんだよ。」
「動きがない。こっちにレーダー反応があるんだから、地図を開いてたらあっちにもあるはずだろ。」
「あ、そうか。」
「…どんな奴か確認しておくか…」
「えっ!行くのかよ!」
「別にここにいてもいいぞ。」
…と、言われたものの、地図も開かずかなり歩いた俺に方向感覚はなく、一人でいることの方が恐怖で。
「い、行く。」
「俺から離れるなよ。」
その決意を分かっていたかのようにすぐ返事をすると、身を屈めながら前を歩き始めた。
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