未知の恐怖

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バカ男。その言葉に首を傾げる。 ルールさえ守れば何をしてもいいはずだ。 例えそれが、目の前で繰り広げられている強姦であっても許される。 「ルールにはイくなとある。 性欲ってのはいくらでも我慢できるが、最大限に引き出された欲は、達成されなきゃ収まらなくなる。 女を見て強姦してもいい。でもイくな。 そんなの、人間の欲に反するもの。」 「…あそこまで興奮したら、出すまで続けるってことか。」 「そうだ。男なんて特に欲の塊だからな。女が股開いて待っていると、そこに突っ込みたくなる。 それが最後だ。自分の理性を失えば死ぬ。そういうゲームだ。」 淫らに喘ぎ、腰を降る男。 その興奮は収まらず、何度も自身を女に沈め、次第に速度を上げる。 そして思いっきり突き上げると、奥に沈めた腰を止め、身震いして恍惚の表情に。 「分かったか。自分を抑制できなきゃ自爆だ。 あの女は可哀想だったが、男はただのバカだ。 両方死ぬ。それがこのゲームのルール。…行くぞ。」 …冷たい、と思った。 もし、歩を止めた10分がなければ、女の子を助けられたかもしれないのに。 しかし、それがここで生きる方法。 見切るのも覚悟。常に冷静で理性を働かせなければ"バカ男"の二の舞だ。
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