未知の恐怖

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また、長距離を歩いて元の砂浜へ。 到着した頃には既に夜だった。 「真鍋。海に行って身体洗ってこい。」 「あ?海で?」 「身体、スゲー酸っぱい臭い。」 「お前もだろ。」 「先に行けよ。」 そのまま横になって眠りたかった。 しかし、それを許さないこの男。 渋々言われた通りに海へ下る。 この島が蒸し暑いせいか、海水の冷たさが気持ちいい。 だが、海水から上がればベタベタするのは嫌い。 そう思いながら、砂浜の方へ視線を移す。 するとどうだ。火を起こし(せわ)しく動き回っている。 何事かと思い、水から上がった。 「もういいのか。…じゃあついてこい。」 またもついてこい。 その命令口調も何度も言われると慣れるもので、文句も言わずについていく。 いつも男が消える茂み。 発電した懐中電灯を片手に、奥へと進んでいく。 5分程歩くと停止。そこには、チョロチョロと流れる水が、深く掘られた穴に溜まっていて。 「そのペットボトルに水を入れて海水流せ。身体拭いたら、そっちにあるつなぎを着ろ。」 そう言って海岸の方へ戻っていく。
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