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知りたいと思った。だから俺もこいつのように行動を起こす。
魚を食べながら、男に話しかけた。
「なぁ。聞いてもいいか?」
「……………」
相変わらずの無言。
でも、俺が話しかければ俺を見る。
無視しているわけではない。
「これからどうするんだ?」
「……………」
「一人で頑張るのか?」
「……………」
「あんた見てると、何かに一生懸命って感じがして、少し気になる。」
最初からそうだった。
何かにつけて殺す殺すと言う。そのわりに、こうして優しさを見せる。
何がしたい?というか、何かをどうしたい、みたいな目的意識が強いと感じた。
すると、男が笑みを浮かべた。
「…案外、バカじゃなかったな。」
「おい!失礼だぞ!俺に!」
「…フッ。…悪い。」
それはとても穏やかに発した声。
「…ここに来てすぐに仲間が出来た。でも、俺は目の前で人間殺した。」
「え、」
「そんな奴と一緒じゃ怖いだろ。だから自分から離れた。でも、本当にいい奴らだった。
…俺はそいつらをクリアさせたい。死なせたくない。そのために自分のできることをやる。」
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