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その日は早々に休むことにした。
が、ここに来て初めて、三大欲求のルールが恨めしいと思ったときはなかった。
「…い………おい!」
「……ん…?」
「起きろ。」
「……え?」
「死ぬぞ。起きろ。」
疲れのために身体が休養を欲する。
しかし、その休養がまともにできない。
眠い。眠い。眠い。眠い。眠い。
イライラするほど眠い。
「母親に会うんだろ。死んだら会えねぇぞ。」
「……!」
…こういうものが仲間と言うんだろうか。
イライラを一瞬で払拭し、自分の目的をしっかり持てるように励ます相手。
自分も疲れて眠いだろうに、俺を心配して起きていてくれたのか。
恐らく俺が眠って30分。男は俺を見張り、そして起こしてくれたのだ。
「…ごめん、ありがとう。」
「……………」
両頬を両手で数度叩き、自分に気合いを入れた。
「交代。俺が起きてるから寝ていいぞ。」
「……………」
「30分したら起こすって!信用しろよ!」
またフッと笑った。
そして、俺の隣で横になる。
すぐに眠りについた男。やっぱりこいつも凄く眠かったんだ。
眠気と格闘しながら30分を乗りきり、男を起こしてまた眠る。
それを朝まで繰り返し、その日の夜を乗りきった。
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